野良猫 ミケさん(番外編)
昨年4月まで、自宅のすぐ近くに仕事部屋を借りていました。
やっすいアパートでしたが6畳二間にユニットバスと庭付きという好条件。
矛盾することですが、自宅に猫がいるとなかなか仕事ができないのです(^_^;)
その庭にたまに野良猫が来るな、とわかっていたのですが、
特に関わりは持ちませんでした。
猫のごはんや必要品を買っていると、ときどきキャットフードのサンプルが付いてきたりします。
一応うちの子たちにあげてみますが、やっぱり口に合わなくて食べないことが多いです。
それなのに何回も同じのが来たりするんですよねー!
あと、よかれと思って違うカリカリを買ってみて失敗するとか、
誰かがアレルギーを起こして食べられなくなるとか、
要するにカリカリが余ってしまうことがあるのです…。
そこで、このまま捨ててしまうよりごはんをほしがっている野良猫にあげたらどうだろうと思い、仕事部屋の庭に置くことにしました。
野良猫にごはんをあげることには賛否両論があると思います。
けどここではその議論はしません。
余ってしまったごはんの利用法として野良猫にあげたと受け止めてください。
仕事部屋には毎日行ったわけではありませんが、行くとちょっとずつごはんを出していました。
庭にごはんがあることに気がつくと何匹かの猫がちょくちょく来るようになり、顔を覚えた子もいました。
その中でも特徴的な顔をしていた三毛猫が、そのまんま「ミケさん」。
鼻筋メイクが見事です(笑)
三毛猫だからもちろんメスだということもすぐわかりました。
ミケさんが庭に現れるようになってから間もなく、ちょっと異変を感じました。
あれ…
もしかしてお腹大きくない?
歩き方も低姿勢で、気をつけているように見えるし。
それからもちょくちょく来ていたので、気のせいかなとも思ったのですが…。
その約1ヶ月後、真相が判明しました。
うわー!
まさにミケさんが子猫を連れていたのです!
やっぱり妊娠していたんだ!
子猫は3匹。
サバトラ白とキジトラと黒。
目の前で本物の親子が見れるなんて。
うちの子は親になれなかったけど、ミケさんが子猫を連れている様子はそれは感動もので、子猫を呼ぶときの声やら見守る姿を初めて見せてもらって、ああ、母猫ってやっぱりいいなぁと思いました。
ミケさんはアパートの隣の家の庭にある物置の下で子猫を産んだみたいでした。
でもここのおばあちゃんが大の動物嫌いでね…(´;ω;`)
物置の下に物干し竿を突っ込んでガシャガシャしたりするんですよ。
頼むからやめて! 子猫が死んじゃう! と何度思ったか。
それでもミケさんはしたたか。
うまく子供たちを呼び出して、私の部屋のお隣さんの庭に子猫たちを連れて行き遊ばせていました。
お隣さんは庭の手入れをしてなかったので草ボーボーだったから、子猫が見つかりにくいと思ったんでしょうね。
うちの庭に子猫を入れることはなかったから。
あーこっち見てるよ。
かわいいなぁ。
ママが一緒だからきれいにしてもらってるんだね。
私がずっと見てたら、黒猫ちゃんは怖がらずに近寄ってきました。
ちっさいねー!
まだ目もグレー。
かわいいなぁ、連れて帰りたいくらい(それは誘拐です)
その後しばらくしたらこの子たちを見かけることはなくなったので、どこかに移動してしまったのかと思ってました。
ところがミケさんだけはたまにひとりで姿を見せたんですよね。
それから月日は流れ半年ほど経った頃。
どうも庭でイジメにあってる? ような猫がいることがわかりました。
その子がいると他の猫が追い出そうとするんです。
にもかかわらず、その子は何度もうちの庭に来てるみたいでした。
あるとき、その子だけが来たので写真が撮れたのですが
この子は…
うん?
2枚上の写真と比べてください。
カメラ目線になってる子猫と柄が一緒ですよね!
ミケさんの子だ!
こんなに大きくなったんだね!
赤ちゃんのときにここに来たことを覚えていたんですね〜。
私あなたのオカンじゃないけどうれしいよ。
特にこの子は私を全然怖がらないみたいで、私が近寄っても逃げたりしませんでした。
私、あなたがママのお腹の中にいたときから知ってる。
そう思うと、なんかすごく愛しい。
でも、残念ながらこの少しあとにこのアパートは解約してしまったのです。
こんなに近くにいるのに、縄張りが違うからか道で会うこともありません。
今もどこかで元気にしてるかな。
そして今現在もうちの子たちが食べずに余ってるごはんがいくらかあるのですが、
さすがにアパートの2階や駐車場に置いたら呼び寄せることになるのでしません。
どうしよう、この余り。
普段から持ち歩いて野良猫を見かける度にあげるのもヘンだしねぇ…(^_^;)